酒田五法　その２

前回のおさらい

　前回は酒田五法の概要や、三山について解説しました。三山は視覚的にパッとイメージし易いため酒田五法の中でも最も基本的且つ重要な考え方になりますから絶対に習得しておくようにしましょう。
　三尊や逆三尊は実際のトレードでもとてもよく目にするパターンです。他のトレーダーもこれらのパターンにはとても高い注目度を持っていますから見逃さないように注意しましょう。
　今回は三山に続いて「三川（さんせん）」と「三兵（さんぺい）」について解説します。この二つも相場の行方についてたくさんの有益な示唆を与えてくれます。

三川

　三川はその名の通り、三つの足、特に大きな陽線（陰線）二つとその間に挟まれた一本の短い足からなるローソク足から相場の転換点や方向性を指し示す考え方です。

　三線で最も基本的な形は次の二つで

それぞれ三川明けの明星と、三川宵の明星と呼ばれます。
三川明けの明星は下落トレンドの中で大きな陰線が出現した後、下に窓を開けて二本目の足が始まったもののなんとか短い陽線となり、更に三本目の足が大きく上放れて大陽線となるパターンです。この明けの明星の出現は相場の強い上昇サインとなります。
　また、宵の明星はその逆で、相場が上昇トレンドにある中で大きな陽線が出現。その後上に窓を開けて二本目がスタートしたものの上値を伸ばせず三本目で一気に大きな大陰線を引いた形です。方向性は当然明けの明星とは逆になり、相場の強い下降サインとなります。

三川には上記二つの他に、三川上放れ二羽鳥と三川宵の十字星の二つがあります

パターンとしては画像に記してある通りですが、上放れ二羽鳥は宵の明星に近い形となり三本目で高く始まったものの叩かれた形。宵の十字線も宵の明星の変化形で両方とも相場の下落を示す形とされています。

三兵

　三兵も三川と同じく三本の足から相場の状況判断を行います。三兵の特徴としては三本の陽線（陰線）が階段状に連続して続いている形のことを言います。
　三兵で基本的な形となるのは赤三兵と、黒三兵になります

 

　仮に日足を例とすると、陽線が三日連続で続き全ての終値が前日終値を上回った形を赤三兵、逆に陰線が三日連続で続き全ての終値が前日安値を下回った形を黒三兵と呼び、それぞれ極めて強い上昇サイン、下降サインとなります。
　他にも坊主三羽や同時三羽など、私の経験的には下方向へのシグナルに特に高い精度を発揮します。