需給へのアプローチ②実需と仮需それぞれの特徴

実需は行ったきり・仮需は行って来い

現在の相場の動きがある程度長い期間でのトレンドとなるのか、それともしばらくすれば元の水準へと戻ってくる行って来いの動きとなるのかは、この動きが実需メインによるものなのかそれとも仮需メインによるものなのかで違ってくるのです。

国内バイナリーオプショントレードにおいて、実際にオプションを購入しようとする場合、現在の流れが勝敗判定時刻まで持続するのか否かが最も知りたいポイントだと思います。今回はその非常に重要な観点について一つの有効な見極め方を解説していきます。

仮需の特徴

仮需とは主に投機筋のことです。投機筋が外為市場に大きな玉を入れてくるのは実は毎日ある程度決まった時間帯であることが多いのです。例えば我らが日本も含まれるアジア市場においてはニューヨークの取引時間が終わり、次の日付にバトンタッチされるオーストラリアやニュージーランドの取引開始直前にドカンと動いてくることがあります。この時間帯は市場に参加しているトレーダーが少ないこともあり、あまり大きくない金額でレートを変動させることができるため投機筋から狙われやすいのです。また、同じ時間帯においてはオーストラリアやニュージーランドの中銀が重要な指標や政策金利について発表するタイミングでも狙い撃ちされやすいことで知られています。この時間帯での大きな動きは数時間で元の位置近くまで戻ることが多く、あまり長い期間のトレンドにはならないことがほとんどです。早ければ日本時間の午前、遅くとも欧州時間スタートまでにはマーケットで消化されてきっている場合が多いのです。

また、欧州勢が相場に参加し始める午後４時から５時くらいにかけても投機筋が積極的に新規ポジションを作ってきます。これも欧州各国から発表される経済指標などに合わせられることもあるのですが、特段大きな材料がないのに外為レートが過剰反応した場合はニューヨーク開始時刻直前までに行って来いとなるケースがほとんどです。

実需の特徴

実需とは貿易会社や商社などによる取引と、金融機関（損保や生保など）による取引の二種類があります。どちらも売買した外貨は買いきり・売り切りとなりますから相場の方向性に対する影響は同社が同じ規模の反対の売買を行うまで理論的には継続されることになります。

実需筋が活発に取引を行うのは所謂「ゴトウビ」と呼ばれる日です。つまり、日付の下一桁が0や5の日です。これらの日は業務上の決済日に指定されていることが多く、その日の仲値が決定される午前10時を目処に外貨高・円安となる傾向が強いのです。ただしこれらの動きはあくまでも米ドル円やクロス円のみに関係しますのでユーロ米ドルなどの外貨同士の為替レートにはあまり影響を与えないので注意してください。

国内バイナリーオプショントレードではこのように時間帯や日付によって変わる実需筋と仮需筋の動きや影響度の違いを認識し、勝敗判定時刻までどのような展開となるかのイメージ力を鍛えることが大切になるのです。そうすればこれまでよりも高い確率で勝てるようになることでしょう。