その７．コモディティとの関連

コモディティとの関連について

為替市場は世界中の株式や債券と深い関わりを持っていますが、それはコモディティ市場に対しても同様です。コモディティとはつまり日常品のこと。トレーダーが言う場合には金や銀、原油、砂糖、トウモロコシ等といた商品市場のことを意味します。

その中でも劣化することなく存在し続け、過去は正に通貨として流通していた金（ゴールド）と、世界中のエネルギーの大部分を占める原油価格は当然のことながら為替相場に強い影響を与えます。

今回はコモディティの中でも特に金と原油との関連について考察してみましょう。

ケーススタディ８　金価格が高騰している

金とは先ほども述べた通り通貨の代替としての機能を持っています。そのため金の値段が上がるということは通貨の値段が下がる、つまり強いインフレが実際に進行中であることを現しているといえます。ただ、気をつけなければならないのは金の値段が上がっているからこれからインフレになるのではなく、既にインフレがある程度進んでいるからそれに伴って金の値段が上がってきたと考えるべき、という点です。

実際のトレーディングの場面においては金の価格が上がっていることを理由に即時に通貨を売買するよりも、インフレに関する一つの指標として扱った方が良いでしょう。通常は金の価格上昇はリスクオフによる投機資金の逃避でない限り米ドル買い・円売りの背景を伴っています。あくまでも相場の背景を探る一つの手段として金価格はチェックするようにしましょう。

ケーススタディ９　原油価格が高騰している

原油が金と最も大きく違うのは「実需がある」という点です。金はあくまでもインフレに対する通貨ヘッジとしての役割が大きいのに対し、原油は実際にエネルギーとして使われます。しかも不要不急というわけではなく必ずどの国も一定量以上を常に必要としているわけです。

そのため、原油価格の伸びは原油を確保しようとする主体それぞれの景気状況に大きく左右されます。特に中国のようなエネルギー効率があまり良くないにも関わらず世界の工場としての役割を担っているような国は、世界中の景況感の影響ををダイレクトに受けてしまいます。

最近では米国のシェール革命によって原油価格は大分下がっています。そのためこれまでのように安易に原油価格だけでもって景気状況やインフレの行く末を推し量ることは難しくなっていますが、それでもやはり原油価格が上昇を示した場合は景気の先行きは比較的強く、各国のインフレ具合に注目しなければならない時期を示していると判断すべきでしょう。

ちなみに国内バイナリーオプション業者の中にはIG証券のように原油をダイレクトに取引できる業者が存在します。そのような業者に口座を持っている場合は積極的に原油をそのものを取引しても良いでしょう。