フランスで同時多発テロ！為替相場に与える影響は？

既に皆さんもご存知のことと思います。フランスで起きた同時多発テロ。１５０人以上の死傷者が発生している状況であり、まだ細かい情報は入手できていませんがどうやらイスラム国が犯行声明を出しているようでフランスの捜査当局もほぼイスラム国の下部組織による犯行だと断定したようです。

同時多発テロといえば２００１年の９．１１米国同時多発テロを思い出します。今回は１３日の金曜日を狙ったこともあり、やはりイスラム宗教的な意味合いは強そうです。果たしてこのフランス同時多発テロの影響は為替相場にどのような影響を与えるのでしょうか。

世界全体でリスクオフ？

米国で起こった同時多発テロと同じことがこれから金融市場で起きるとすれば世界全体は急激なリスクオフへと一気にその流れが転換することになります。円高が進み株は値下がりが続くでしょう。世界恐慌までいきませんがかなり景気は悪化するはずです。明日から少なくとも一週間の国内バイナリーオプション戦略については、金融市場の収縮が起きるかどうかを極めて丁寧に観察し続けなければなりません。

私の予想を述べるなら、「それほど酷くはならない」という事です。イスラム国は難民の動きなどを利用して欧州へと活動の場を広げており、今後は欧州圏内ではイスラム難民やイスラム過激派組織に対してどう対処していくかということが常に大きな問題としてクローズアップされることでしょう。特に中東やアフリカと地理的に近い南欧、大きな経済圏を持つドイツ・フランス、そしてテロはもちろん難民受け入れにさえ強い拒否反応を示している北欧、この三者で立場が全く異なるため関係性が複雑化する可能性が高いのです。
ユーロは「一つの欧州」「ワン・ヨーロッパ」を目指してここまで進んできました。しかし、ヨーロッパ人ではない人間が大量にその土地に流入することでこれまでの努力が一気に全て水の泡になるかもしれないわけです。欧州の置かれている現実は急速に悪化しています。中国の景気がどうのこうのなどとは言ってられないくらい経済だけでなく政治的、安全保障的に最悪の状況だと私は見ています。

ドイツではフォルクスワーゲンによる排ガス規制逃れの悪質な問題が大きな打撃を与えています。そこに大量の難民、そしてフランスでの同時多発テロ。全く良い所がないのが現在の欧州です。

欧州は踏んだり蹴ったり。致命傷になる恐れも。

しかもフランスはテロと同タイミングで高速鉄道の試験中に大事故まで発生してしまいまいした。お客さんは乗せていなかったようですが、技術者１０人の命が失われていまいました。おそらく乗車していた技術者はフランス高速鉄道のトップクラスの人でしょうから、その損失もかなりの物になりそうです。

欧州全体が今年は厄年なんじゃないかと思えるほど踏んだり蹴ったりの状況で、しかも長期的に引きずり続ける問題ばかりです。今後しばらくはユーロは買えないな、というのが多くの投資家の共通した認識ではないでしょうか。

国内バイナリーオプションの戦略的には「ユーロは売る物」という認識を強めるべきで、通貨の強さ的には米ドル＞日本円＞＞＞ユーロといった関係になりそうです。ただ、世界全体が急激なリスクオフに見舞われた場合、一時的に円が米ドルよりも強くなってしまう時間帯が無いともいえませんので米ドル円の通貨ペアでは少し注意が必要になります。

来週は相場全体を広く見渡し、「空気感」をまずは掴むようにしましょう。