ギリシャ問題はその後どうなったの？！

ギリシャの株式市場が５週間ぶりに取引再開へ、というニュースが報じられたのが８月の２日。つまり騒動は今年の６月ごろにはかなり過熱していたことがわかりますね。もうだいぶ前のことのようにも感じますが実は３～４ヶ月ほどしか経っていないのです。ギリシャ問題によってユーロの価値が大きく毀損した今年の初夏でしたが、ここで今一度今後国内バイナリーオプションにおける戦略を練る上でも重要となる欧州債務危機について復習しておきましょう。

ギリシャをどのようにして救うのか、あるいはユーロからさっさと追い出してしまうのか、どちらが正解なのかは結局今現在においても答えは出ていません。いわゆる「先延ばし」を欧州の政治が選択したためです。ドラスティックなことを起こすわけにはいかないという判断によるものですが、私個人としてはギリシャはユーロに残留すべきではなかったと思います。それがギリシャ人のためにもその他のユーロ圏の国々のためにもなると思うからです。

政治や財政は統一していないのに通貨発行だけは統一されているというのはやはりどう考えても無理な話です。ドイツは（少なくともフォルクスワーゲン問題が明るみに出るまでは）極めて強い工業力を持っている一方、ギリシャを始めとした南欧諸国は観光以外に目立った産業がなく、高い失業率や伸びない経済力に頭を悩ませています。本来なら自国通貨のレートが下がり、それによって輸出競争力が回復するはずなのですが、ドイツやフランスと通貨を一にしているためそれができません。逆にドイツはお荷物国家によってユーロを低く抑えることができていますからバンバン物を輸出でき、更に経済力が向上していきます。このような背景を知っていると、ギリシャに金を貸し続けるのはドイツのある意味責任なのではないかという気もしてくるわけです。少なくともドイツにはユーロ圏全体を安定させる役割があるんじゃないかと。

さて、道徳的にどうかはさておき、ドイツもギリシャも結局はユーロ圏を出て行く（追い出す）のは嫌みたいです。ドイツとしてみればギリシャがいてくれた方が適度にユーロの価値を低く抑えられますし、今後のユーロ圏安定のためにも資することになります。ギリシャはユーロを捨ててドラクマに戻った瞬間強烈な悪性インフレに少なくとも一定期間は襲われるでしょうから、それを国民は嫌がったんだと思います。はっきり言って何も買えなくなりますからね。

評価すべきはギリシャ問題が明るみになった2010年以降、国家債務の問題が民間の銀行や他の国々まで飛び火しないようファイアウォールが築き上げられていることです。これによって連鎖的な金融パニックが起きる可能性はだいぶ低くなっています。

このギリシャ関連の問題は今後も事あるごとに顔を出してくるでしょう。そしてその度にユーロの上値を抑えるはずです。ユーロが140円を奪還するのはかなり難しいことだと私は見ています。というわけで、このトピックから導き出される結論としては「ユーロは売り！」ですね。国内バイナリーオプション戦略にももちろんこの考えを生かしていきます。次回も別の国際経済・金融問題にスポットを当てて国内バイナリーオプション戦略を考えていきましょう。