原油のバイナリーオプションで値上がりヘッジ？

あるバス会社の社長の話

数年前ですが原油がめちゃくちゃ高騰して大変なことになった時期がありました。当時はハイオクがリッター200円にも迫る勢いでガソリンや燃料を多く使う業種は軒並み経営難に陥ったのです。

筆者の知人のあるバス会社の社長も当時は「走れば走るほど赤字になる」と嘆いていました。これは運送業界やトラックの運転手、タクシーの運転手、漁船で大量の重油を使う漁師、温度を一定に保って農作物を作る農家などとても多くの業界に甚大な損害を与えた出来事でした。

日本は自分の土地で原油を生産できません。ですから原油がどれだけ値上がりしても相手国の言い値で原油を輸入しなければならないのです。過去にはオイルショックや第二次オイルショックがあり、どちらも日本を長期的な不況に叩き落とすきっかけとなりました。本来であればその後我々は教訓を生かし、原油高騰に強い経済基盤を作らなければならなかったのですが、それを怠ったがために訪れた再度の危機であったわけです。

個人レベルでも活用できるバイナリーによるヘッジ

では原油価格高騰対策として、どんな手段をとるべきだったのでしょうか。実は原油価格上昇に対するヘッジ（保険）としてバイナリーオプションは大変有効なのです。

IG証券では原油価格に対するバイナリーオプションが取引可能となっています。この原油バイナリーを利用し、上方向のラダーオプションを常時一定量を買い続けることによって原油価格の上昇による損失を相殺することが可能なのです。

原油価格は日々小さな上昇と小さな下落を繰り返していますから、平時であればこのラダーオプションによる取引の成績はトントンに近くなります。そして原油価格が長期的に下落してしまえば損失になりますが、その場合は必要となる燃料の調達価格も下がりますから実害は発生しません。そして原油価格が長期的に大幅に上昇すると先ほど述べた通り、ヘッジ無しであれば大損害を受けることになりますが、バイナリーオプションを活用していればそのラダーオプションで利益を得ることができますのでやはり実害は発生しないのです。

企業経営においてリスク要因、つまり不確定要素をいかに排除するかはとても大きな課題です。特に原油価格というある意味経営努力ではなんともしがた部分をヘッジできるということは大変大きな意味を持つのです。そしてバイナリーオプションによるヘッジ能力は個人においても応用することができるのです。

インフレ対策もバイナリーオプションで！

現在政府・日銀は一丸となって物価上昇、つまり経済をインフレ方向に引張るために努力しています。事実、アベノミクスがスタートし日銀総裁が黒田氏に変わってからというものの円安が進行したこともあって食料品価格を中心に物価の上昇が急激に進んでいます。このままインフレ率が高まれば、経済の良し悪しとは別に、我々のこれまで蓄えたお金の価値はどんどん下落してしまうことは間違いないのです。

物価が変化するということはお金の価値が変化するということと同じ意味です。この動きをヘッジし、自分の資産を守るために、原油価格のケースと同じようにバイナリーオプションを有効活用することができるのです。

具体的には日経平均を原資産としたラダーオプションを上方向に組んだり、米ドル円やユーロ円といった円絡みのラダーオプションを円安方向に組むなどします。この時のポイントとして決して積極的な値上がり益を狙わないようにします。あくまでも物価上昇や円安分だけをヘッジするために必要な量に留めることが肝心です。

この方法をもし2012年に安倍政権が発足した時点から行っていればどうなっていたでしょうか…おそらくあなたの資産はこの約３年の間に２倍以上に膨らんでいるはずです。この戦略は今始めても遅すぎるということはありません。物価上昇に対してあなたの資産を守るために、是非インフレ・ヘッジのためのバイナリーオプション活用を考えてみてはいかがでしょうか。