国内バイナリーオプションの規制

今回は、ここ日本においても人気が高まってきているバイナリーオプション取引に関して過去に実施された規制について情報を整理してご紹介します。

日本国内において、バイナリーオプションが投資家の間で知られはじめたのは2009年頃からですが、その後、急激に人気が広がり、当初はIGマーケッツ証券のみがサービスを提供していましたが、GMOクリック証券やFXトレードフィナンシャル等が相次いで参入し、それに比例するかの様に、バイナリーオプション取引に参加する投資家が増加しました。

2012年頃には国内バイナリーオプション取引の人気に火が付き、ブームの様相を呈し、投資家の関心と人気が一気に集まりました。その結果、新しくバイナリーオプション取引を開始する初心者投資家が大幅に増加したのです。

しかし、十分な準備をせずに飛び乗った初心者トレーダーの中には、一気に資金を失うというケースも少なからず発生しました。

この為、当時の国内バイナリーオプション取引に適用されていたルールについて「賭博性が高く、投資家の射倖心を煽る」ものとして、行政上の指導が入ったのです。

これを受けて、国内バイナリーオプション取引業者は自主規制を行うこととし、関連会社で協議を行いました。

その結果、取引時間、ペイアウト率、知識テストの実施等について自主規制が行われ、結果として、当時人気があった短期間（5分等）での取引は、国内のバイナリーオプション取引業者を介して行う事ができなくなってしまいました。

また、取引開始に当たり、外国為替取引の経験や知識を求められ、それらが十分にない場合、口座開設の審査に落ちてしまう事となりました。

この結果、一時期国内バイナリーオプション取引の人気が低下し、そのタイミングで、海外バイナリーオプション取引業者が日本市場への参入を開始したため、投資家が海外のバイナリーオプション取引提供業者に鞍替えするという状況が生起。

しかし、2013年には国内バイナリーオプションの規制も一段落し、それまで何度かルール変更を行わざるを得なかった国内のバイナリーオプション取引業者も、サービス内容のリニューアルが完了して現在に至ります。

また、取引ルールの明確化に合わせるようにして、税制が整備され、それまで雑所得として取り扱われていた国内バイナリーオプション取引の利益が、申告分離課税の対象となり、税制面で有利になったという事は、国内バイナリーオプション取引業者にとって大きな朗報でした。

この税制面の利点は、具体的には国内バイナリーオプション取引業者を介して利益を上げた場合、支払うべき税金は一律約20%となることです。

たとえ1,000万円の利益を上げても、支払う税金は200万円で済みます。

これに対し、海外バイナリーオプション取引業者を利用して上げた利益については最大で50%の税金が課税されます。

一時期、規制が行われた事で国内バイナリーオプション取引の人気は一時低下しましたが、規制に伴いルールや制度が整備されたことは、結果として国内バイナリーオプション取引の環境を向上させ、トレーダーにとっても十分なメリットを受けることが出来る様になったのです。